吹きガラスは、溶けたガラスを吹き竿の先につけ、息を吹き込みながら形をつくる技法です。型を使わないので、形を決めるのは職人の息と手と、重力だけです。シンプルに聞こえますが、1,150度のガラスは数秒で冷えて固まり始めるため、判断と動作のスピードが常に問われます。

窯の中のガラスはどんな状態か

工房の窯はガス式で、常時1,150度前後を維持しています。この温度帯では、ガラスは蜂蜜に近い粘度になります。竿の先に巻き取ると、ゆっくりと垂れ下がる。この「垂れ」を利用して形を作るのが吹きガラスの基本です。温度が下がると粘度が上がり、形が固定されていきます。

息の役割

竿の反対側から息を吹き込むと、ガラスの内部に空気の泡ができます。この泡を膨らませることで、中空の形を作ります。息の量と速さで、膨らみ方が変わります。強く吹けば大きく膨らむわけではなく、ガラスの温度と粘度に合わせた息の入れ方が必要です。体験教室でこれを説明すると、多くの方が「思ったより繊細」と言います。

重力を使う

竿を水平に保つか、少し傾けるかで、ガラスの垂れ方が変わります。これを利用して、口の広い形や非対称な形を作ることができます。型を使わない吹きガラスでは、重力は道具の一つです。竿を回転させながら重力の方向を変えることで、形をコントロールします。

冷却の工程

形が完成したら、徐冷炉に入れてゆっくり冷やします。急冷するとガラスは割れます。徐冷炉は500度前後から始め、数時間かけて室温まで下げます。この工程を省くことはできません。体験教室で作った作品を翌日以降の受け取りにしているのはこのためです。

吹きガラスは、道具よりも感覚に依存する技法です。体験教室では、この感覚の一端を実際に体験していただけます。予約・お問い合わせはフォームからどうぞ。